2022年1月10日月曜日

富江

 作品でなんどもなんども見返してしまうのは、自分自身のなんかに触れるのだ。いわゆる、イデアってやつに。



 美少女、富江をよく知ったのは実はつい最近このまえなのだ。
 伊藤潤二さんの1987年、処女作の漫画だ。‘少女椿’もこの頃だ。
 もともと、伊藤潤二さんも富江も知ってはいたのだが美しい少女富江の画像をみる程度で深くは追求しなかった。
 
 はじめて富江に触れたのは最初期、1998年(1999?)版の映画だった。
 もともと美しい少女(好みな黒髪ストレートの)の話だと知っていたし、‘学校であった怖い話’の影響ですごく興味が湧いたわいたのが理由。
 そして、肝心の映画だが実写なのにすごく楽しめた。
 あの空気感もいいが音楽が特に好きだ。単純な怖いではなく、ホラーなのに柔らかくおもしろい、人間の狂喜の頂点の恍惚に似た圧巻。そして静かに流れていく。
 のちのち、原作の良さがちゃんと表現されてるなと思った。
 他のドラマ版や映画(色々含め8本もある)も少々見てみたが、やっぱり最初のが好き。

 それで、はまってしまい富江だけ集めたコミック上下巻を買い
アニメ‘伊藤潤二 コレクション’をみた。

 まずコミックはもういうまでもないがあの緻密な描写で描き出される独特な美しさと怖さ。
 最初期からだが、人物のラインがとても綺麗なのだ。
 女の子の脚とかすごく見惚れてしまう。あと美少女のお約束。目と髪の毛が、キラキラ。
 富江まぢ、かわいい。
もう、ホラーと美少女の関係性をこれでもかってぐらい体現していた。

 で、アニメのほうはすっごく面白かった。
 映画とはまた違った感じで、スタッフさん達の愛を随所に感じた。伊藤さんの作品は怖いけど全体的にユニークなのだ。どこか笑えるって感じ。
 富江に関しては、もう…可愛い。
声と色彩だけでこんなに嬉しくなるものか。完全に富江にやられている自分がいる…。(映画版 禁断の果実でもそうだがアニメの富江は赤い服を着ているのが印象的に描かれている。やっぱり、美少女には赤い服)
 漫画からアニメにする際におきる若干のズレを想像力で埋めて作品を壊さず、生き生きとしたキャラクターが好き。
 そう、伊藤さんの作品には美少年美少女、異形の怪異が欠かせない。その彼らが世界観を創っているのだろう。

 永遠に生き続け、美しさで老い若い男女問わず魅了し挙句の果て、殺したいという執着に刈られ終着するという富江。
 これぞ、美少女の末路。
富江は、きっと富江という新生命体たのだろうと思う。




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