2021年12月16日木曜日

猪突猛進

 考える前に行動している。

 それが自分の性質だった。
 あんまり考えると、恐怖がするりと入り込んでくる気がするのだ。だから、立ち止まっていてもなにも始まらないという思想が、頭を支配している。

 あとは、幼少期に話すのが大変だった。うちなる世界に入り込むのは得意で、夢見がちになってしまった。これは能力といえよう。
 同年代が反射と反応でポンポン言葉を投げ合っているのに対し、投げられた言葉を自身の理解できる言葉に変換しないと言葉がでてでてこないのだ。
 だから自分が学生時代などに同年代が何をいってるのかさっぱりだったし、話してもつまらないのでほとんど話さなかった。
 対人がゆっくり時間がかかるのに性質がそんなんだから、自分が勝手にとっとと動くがあたりまえとなっていた。
 人と接することが増えこれが会話のやり方かと、ようやく覚えて表面上の会話、自分の考えを話すのも何の気なしにできるようになったが、身体が勝手に動こうとするのは、変わっていなかった。
 もともと、戦闘体質なのもある。ビビりだが、挑まれ、攻撃されたらし返す性格。前しか見ない戦闘体質。ある意味最悪だ。大人になって「男だったら殴ってた」と何回か言われたことがある。自分のことながらわらってしまう。 
 この戦闘についていうならば、対人ではなく、目の前に転がってきた事象に対して、である。なのに殴られ予備軍なのだ。
 
 この短い人生この中でそれで、死にっぱぐれたことが何度もある。
 交通事故、大病、借金、仕事や、学校の人間関係。
 思い返すと社会的には全然たいしたことはなし、大事にはなっていなかったが、あまりに生き急ぎすぎている。
 そう、自分はそんなでも生きていけるぐらい守られていたのだ。

 この前、家族や同居人になんの相談もなしに人生の大きな決断をしてしまった。
 母ととことん相談した上で勝手に決めたのだ。もちろん私の人生だが、まわりに影響がでないわけではない。かなり、きわどい選択をしてしまったのだ。
 でもその時にはもう、妄想大特急だったのだ。猪突猛進。まさに、猪。
 しかし、自分よりはるかに対人スキルが低く社会に厭世感を抱き生活している、弱い同居人のおもちさんにこれでもかってぐらい必死に止められた。泣きながらその選択の間違いを諭されたのだ。
 それは、愛だった。とても、大事にしてくれていることがわかったのだ。
 ゆめみがちで社会性が縁遠い自分。しかし、それでも生きていかなければならなない。
 だから無理やり社会性をつくろうとしたのだ。しかし、結果がとんでもないことになってしまった。そんな苦しい状況になっているとこを、今まで無関心でいることしかできなかったおもちさんが、必死で関係をつくろうとして語りかけてくれたことが何より感動してしまったのだ。
 突っ走るのちょっとまてよっ、とおもちさんが必死でとめてくれてやっと止まりました。。
 その時には、母との信頼関係は崩れてるし、1日で借金をしまくったあと。ボロボロだったが、それでも学んだこともいっぱいあった。

 自分は大事にされすぎて馬鹿だが、仕方がない。それを受け止めるしか。それに、側にいて頼りにできる存在がいるだけで自分はかなり、幸せだ。

 大事され、することはなかなか手にすることは出来ないのではないだろうか。それは欲しいとおもっても手に入らない。今回はそんなことを思ったのだった。

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