読書感想文の課題図書のひとつだった。‘女生徒’。その言葉だけに惹かれた。
もうそのから、美少女主義だった自分にとって学校のつまらない読書感想文に華がそえられた気分…単純である。
反応が題名が先、作者があとになってしまったが、確認するとなんとあの太宰治。当時から偏愛傾向な読書だったので、これがはじめましてである。
しかし、驚いた。美術部の活動で夏休みだってのに電車で暑いなかわざわざ赴く際、お供に読んでいた。
あまりにも可愛らしく流れるような心理描写……電車の中に関わらず、彼女の中に入り込んでしまった。
えっ、なに?これ書いたの女性?ってぐらい。いや、繊細な男性だからこその描写かも。
美少女を描いている身なので、そういうのを気にしてしまうのだが、おんなのこ描くのって男性のほうがうまいと思うのだ(勝手な思いです)。
なんかその男性のほうが客観的目線でここ、絶妙かわいい!!ってところをピンポイントに抑えられてる気がするのだ。目とか、手とか、ビミョーな表情とか。そう、色香が美味しい………なんか変態っぽい。
女性は自分の内面がでちゃうのかなーって。でも作品ってそもそも意識するにしろしないにしろ、自分なのよね。でも、女性の作品って内面的だなーって感じる。
それにしたって、太宰治が作り出したの女生徒は、あまりにもおんなのこのそれである。しかも、なんでもないふりをしながらあの年頃特有の、ジェットコースターなみ感情の起伏の描写はすごーく共感してしまった。とにかく彼女の心の中は彩り豊かな言葉で、かわいく儚く脆い。
「この風呂敷を褒めてくれたかたに、お嫁にいく」なんてなんてまぁ!である。
それで、この話がいたく気に入り一回だけのつもりが、何回も読むことになる。
美術部のコンクール課題である‘本をもとに絵を描く’っていうのにも女生徒を題材にした。なんでもない日常を少女の目を通すと色っぽくなる。それこそ男の妄想かもだが。
結果、私的趣味色つよめで受からなかったけど。でも、満足。
結局、何度も読みすぎて買うことになる。
それで他の作品も読んでみた。
‘きりぎりす’は、めっちゃ身に積まされる話だった。‘饗応夫人’は転がるような喜劇と悲劇だった。
なんともいえない哀愁は全作品にながれている。そんな感じがした。
彼の書く作品の女性たちは、切なさ愛らしさ賢さそして、愚かさと寂しさその漂う感じは他では見たことない………日本画の色っぽい女性像を、言葉で表現できることが感銘である。
「悪いのは、あなただ」
女生徒の言い放ったその言葉が好きである。
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