2021年9月5日日曜日

悪魔の弁護人

 Huluはいい。映画がこんなに身近になるなんて。
 といっても昔から、映画は多少みているのだ。幼少期、住んでいた家2階建。その家は広さはあるが、自分の部屋というものがない。1階おおきいテレビがある部屋(今でいうリビング)と、キッチン、家族4人で寝る部屋(和室…20歳までその和室に2段ベッドで寝ていたとなると、酔狂になるのだろうか)がある。ちなみに2階は父のアトリエ。朝ごはん意外の事柄、すべてがテレビのある部屋で行われていた。
 昼ごはん、夜ごはんの時、絵を描くとき、宿題をやっているとき、父がおおきいテレビで映画をみている。録りためている午後のロードショーの‘遊星からの物体x’とか、‘鳥’とか、TSUTAYAで借りてきた名前も知らない映画が勝手にながれている。それはそれでなかなか楽しい。なので同い年のクラスメイトよりは多少、映画に慣れ親しんでいたのだ。
 AmazonprimeとかHuluを知ってからは、特に好きなやつや、気になっていたものがみれていい。しかも何回も。それは現在の同居人ぬぴさんも同じで、昔に何回も好きでみた映画など教えてくれる。‘未来世紀ブラジル’とか‘リーサルウエポン’とか(ぬぴさんはアマデウス好きで上映されていた時何回も通ったらしい)。今回教えてくれたのはたまたまHuluにあった‘ディアボロス’。
 やぁ、おどろいた。主演があの‘マトリックス’のキアヌ・リーブスと‘ゴッドファーザー’アル・パチーノ’じゃん!んなっ早くおしえてよっ!である。そんなん、みないわけがない。で、早速みた。

 (ネタバレ?)感想…とよべるのか。ほんとみてよかった。空気がよく、主演が最高で、話もおもしろかったらそうなるだろうが。神の世界と法律。夢想と現実。いや、法律も幻想だが。悪魔(アル・パチーノ)に惚れられた美しい容姿の無敗弁護士(キアヌ)…まぁ悪魔自身ナルシストだろうから自分の遺伝子を愛さずにはいられないだろう。こく、濃くその血を残すため息子であるキアヌを自分の娘と、まぐわせようとするのだから。そのナルシシズム好き。
 悪魔に誑かされ、キアヌの奥さんが狂っていく。その過程で、新居の壁をなんども塗り替えめちゃくちゃな色もよかったがニューヨークのビルの中、最上階悪魔の寝るところのない部屋もよかった。寝るところがないってすごく色っぽい。動く巨大レリーフの前、大きなテーブル。あそこで最後の狂気の掛け合いが、繰り広げられ選択を迫られる。まるで、宗教絵画やオペラだ。
 転がるだけ転がりもう、止められない。あとは悪魔の蜜に溺れるしかない…濃い血、遺伝子の呪いと、もうあとは自分自身との戦いと選択…弱いんだよねぇ、そういう設定。‘少女革命ウテナ’とか、同じ幾原さん原作の‘ノケモノと花嫁’とかさ。

 ぬぴさんは丁度いいとき、欲しいときにいつも、インスピレーションの源みたいなものをなげてくれる。その要素を取捨選択するのは自分の裁量だが。あの映画の世界観はまさに蜜の味。‘ちょうどほしかったあの商品!’的な感覚だ。
また、絵に新たな要素が加えられるかもな予感だ。たのしいみだね。たのしみます。




0 件のコメント:

コメントを投稿