2021年1月15日金曜日

闇夜の味

  カカオの味は独特だ。その味に酔いタバコ、ワイン、コーヒー、紅茶などとおなじように嗜好品だ、と思う。健康にいいということで、今ではハイカカオ(カカオ含有量70%以上のもの)のチョコレートは当たり前だが、2007年頃の最初のハイカカオブームが起きる前はお目にするのも珍しかった。カカオポリフェノールが身体にいいという前にカカオは美味しい。日本のメーカーでは1997年に森永の”カレ・ド・ショコラ”、翌年に売り上げトップの明治”チョコレート効果”、外国ではLindt、1989 年に”エクセレンス 70%カカオ”を発売していた。

 あかぐまはLindtの”エクセレンスシリーズ”が大好きだ。お店では70、78、85、90、99%が売っている。驚くべきことに砂糖の量だけの違いだけでなく味がまったく別ものなのだ。それまであんまりハイカカオに興味がなかったあかぐまだったがエクセレンスを食べ比べてその魅力の虜になった。繊細な香りや絶妙な砂糖とカカオと香りの配合、脳の神経に語り掛けてくる感じ…感動のひとこと。そんなこんなのある日、外国のSNSで”エクセレンス カカオ100%”があるの知った。99%でさえ、他のパーセンテージとは別物の風味がしたのに100%の味がすごく気になった。食べたーい、しかしLindtのお店では取り扱っていない…。残念におもってあきらめかけていた矢先、まさかふらりと立ち寄った紀伊国屋さんでその姿をお目にかかることができました!!即購入、帰宅後すぐに食す。味は一言でいうと純カカオ。香りも芳醇だが、他のパーセンテージより薄い計算された厚み、板目。漆黒の美しさ。成分表示もカカオマス、ココアパウダー、ココアバターというシンプルさ。口いっぱい広がる苦み下にスモーキー感があらわれ、後にじんわり脳にまで広がる余韻…。闇夜に味があるとすればこんな感じなのではないかなと思う。これは健康にいいとかいうより娯楽の世界。ワインはもちろんミルクティーにあいそうだ。料理のスパイスにもなりそう、そんな味だった。700円(税抜き)と少々お高めだったが違うチョコレートの世界がそこにはあった。Lindtのメートルショコラティエの突き詰めた結晶。他にもないかとsnsを調べてみると日本で売られていないハイカカオパーセンテージがあそうで、すごく興味そそられる…。ただただのLindtの世界にめりこんでいたいあかぐまだった。










日経クロストレンド参照。

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