2020年12月8日火曜日

どうして、こんなに、マリアージュ

  温かい陽射しの中、あの頃、築地の病院へ通っていたあかぐまは、銀座まで散歩した。どちらかといえば後者がメインである。同居人のぬぴさんと診察疲れを引きずってお茶するところを探していた時、裏路地に面した松屋のラメゾンデュショコラにたどり着いた。

 当時、ショコラトリーにあまり縁のなかったあかぐまがチョコレートのお店という甘美な語路に疲れが吹き飛んだことを覚えている。お店は落ち着いた深いチョコレート色合い、照明を落としたシックなかんじで席数は少ない、昼はカフェ、夜はBARになりそうだ。

 はじめて食べたラメゾンデュショコラはシンプルなフィガロ(アーモンドとヘーゼルナッツのプラリネ)とサルヴァドール(フランボワーズの味)のボンボンショコラ、そのお供にマルコポーロを注文した。

 マルコポーロ…初めて聞いた名前の紅茶で(後で知ったがマリアージュフレールのフレーバーティー)メニューの説明には”フルーツとお花のお茶”と書いてあった。(中国のフルーツとチベットのお花)そして、驚いた。味は、口の中でお華がひらいた気がした。ヴァニラも香っていた気がする。そしてフルーツの芳醇なとろみと甘み。儚いのに残り香を舌の上にいつまでも残す…紅茶にここまで感動したことはなかった。

 この紅茶でもう脳がやられたが更なる驚きは、チョコレートとの相性だった。ここまで個性的なお茶ではチョコレートがかすんでしまうのでは…と心配ご無用、もちろんチョコレートは、脳をとろかす味わい…そこに華やかに彩りを添える、至極、であった。

 しばらくマルコポーロとチョコレートのマリアージュにおぼれるため足繫く通ったが、松屋のラメゾンデュショコラがギフトショップのみになってしまった。残念だがそこであきらめるあかぐまではない。ネットで検索しラメゾンデュショコラの青山店に出向いた。宝石店のような重厚感ある明るい店内だった。1階がショーケース、2階がカフェになっていた。そこでまた新たなであいがあった。1688グラン・ロゼ(1688年にパリの司教様が残した伝説のレシピを復元して作られた、 フランス製最高級ノンアルコール・スパークリング)である。ノンアルコールのスパークリングワインで少し甘い、切れ味もあるが優しい。チョコレートとの相性が最高だった。ノンアルコールだが、酔っぱらった。そうかこれがマリアージュというものなのかと至極納得したあかぐまであった。

 他のショコラトリーもそうだと思うが、宇宙のように複雑なチョコレートの味わいに合う選び抜かれた飲み物に出会えるこの幸せ、いったい誰が選んでいるのであろう…とにかく一種の空想の世界に飛ばしてくれるラメゾンデュショコラのチョコレートであるがそこに一匙色を添えてくれる飲み物…考え抜かれた世界観は参りました、のひとことである。









松浦利右衛門商店サイト商品説明参照

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