2021年6月12日土曜日

すきこそもののなんとやら

 あかぐまの幼少期。祖父に初めてのチョコレートをもらってからというもの、チョコレートに魅せられてしまった。あのチョコレートをもっと味わいたい。手元においておきたい。いつまでもしあわせを感じていたい、そんな思いはあかぐまを突き動かした。
 チョコレートを手元においておきたい一心で幼いながらなんとか作り上げたチョコレートが、チョコレート色の折り紙を半分にし、鉛筆で凹凸の意味も込めて四角を列で書き込み、銀色の紙でそれを包み、かわいい柄折り紙でそれをさらに包む。折り紙チョコレートの完成。また、折り紙でハート型のチョコレートも作った。チョコレート色の単色折り紙を買い込みすごーい量を作っていた。あとは、アイロンビーズでハート型のチョコレートをつくりまくった。ちょっと厚みがあるのがいい感じになるのだ。しかし、折り紙もアイロンビーズも本物と絶対的な違いはあるので、作ったそのときは満足するのだがあと、もっと本物らしいものがほしくなるのだ。
 絵も、もちろん描いていてあかぐまには理想のチョコレート像あり、より近いものが欲しくなった。そして、今度は粘土に手をだした。最初は紙粘土だった。地の色が白に着色してもいいし、チョコレート色のカラー粘土を使用してもよし。粘土の密な固体感がいい。チョコレートにより近い。だが、やはりあかぐまは物足りなくなってしまった。そう、紙粘土は扱いやすいが軽いのだ。あのチョコレート独特の重厚感がない。乾燥した粘土は軽薄な感じがしてしまうのだ。しかも、これはあかぐまの技術力だが、この粘土だとあまり緻密につくれない。そして、そんな次の悩みに対策として石粉粘土を使用してみた。フェイクスイーツの王道はやはり樹脂粘土だが、この時のあかぐまには扱いにくかった。石粉粘土は、乾燥後にも加工しやすいし、着色した時発色がいいのだ。板チョコはもちろん、ボンボンショコラもつくってみた。あかぐまは満足した。それでも最近は、やはり一番本物の艶にちかい樹脂粘土を試したいなと、思うようになっている。
 日々、ひび探求だ。いつか、理想を手にするまで。


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