2021年4月2日金曜日

芳醇は部屋いっぱいにひろがる

 このLindtのショコラサブレを食べると思い出す。あかぐまの幼少の頃。あの芳醇な匂いと、味わい。バターたっぷり、ほろにがい母の特製ココアクッキー。その母が作ったクッキーは、市販で売っているココアや、チョコレートのクッキーとは違う。母のココアクッキーは、‘母のココアクッキー’だ。決め手はたっぷりバター。バターは有塩。柔らかくしたバターに砂糖をまぜこみココア小麦粉をふるい入れ混ぜる。あとはオーブンで焼くだけ。焼くとバターとココアの熱された匂いが部屋いっぱいにひろがる。あの匂いは至福を運ぶ合図だ。学校から帰ってきて、珍しく仕事の休みの母が作ってくれたらもう、その日あったことはすべてわすれられる、魔法みたいなクッキーなのだ。その後はあかぐまがそのレシピを伝授され、何度も作った。あの、砂糖の甘さおさえ目で、ココアを焼くことにより、もっと凝縮された塊となり齧るとココアそのものの甘味が感じられる。特別なクッキー。また、作るかぁ…。
 Lindtの焼き菓子はチョコレートにあわせて作っているらしい。ショコラサブレはマーガリン使用だが、ちょっとにている気がする。シンプルな母のクッキーの味に。忘れられない、忘れられるわけがない思い出のクッキー。また、作ろう。




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